たとえ無料相談でも、うかつなことが言えないのは、国家資格者の宿命のようなものでしょう。しかも、せっかく無料相談で経営者との接点ができても、提案チャンスにつなげる技術がなければ、ビジネス的にはマイナスになりかねません。
この《無料相談を有料契約につなげる技術》は、先生方の今後のビジネス発展に極めて重要な役割を担うと考え、講座化しています。
ここでは、その《源流》のようなお話を、とりまとめておきたいと思います。

1.社会感覚の変化に乗り遅れがちな企業経営者

今、特に“人事労務”分野で、多くの企業経営者が“社会感覚の変化”に乗り遅れる傾向にあります。今までの経営感覚が、もはや通用しなくなったという実感はあっても、“何が問題なのか”が、本当には分かっていないからなのでしょう。
そして、何が問題なのかが分かっていない経営者から“相談”を受けることは、確かに骨が折れると思います。対話がすれ違うばかりではなく、せっかくの“成果”の価値が理解されず、場合によっては不評を買うことさえあるからです。好感を持たれても、次から次へ依頼が出て来て“振り回される”ことにもなりかねません。

2.相談がなければ経営者意識の刺激機会もない

しかし、実際に《相談》を受け付けなければ、経営支援の端緒は開けません。しかも、有料相談では、問題を《自分なりに特定してしまった》経営者としか会えないため、経営者が気付かない課題を知らしめる機会には、なかなかならないのです。
そのため、企業経営者の認識や意識を超える《人事労務課題の提案》を行おうとすると、どうしてもまずは“経営者に自由に悩みを語らせる”機会、つまり“無料相談機会”を持って、経営者の意識に働きかけるところから始めなければなりません。
それが、その後に先生が語り掛けるテーマの重大さを理解させる機会になるからです。

3.無料相談で《経営者の姿勢》を変える分岐点

ただし無料相談は、その“持ち方”によって、好機にも負担にもなり得ます。そして、無料相談を“有益な機会”に変えるには、まず相談を受ける姿勢を確立する必要があるのです。
その姿勢とは、ただ“①説得するより話を聞く”というような方法論だけではなく、経営者を気付きに導くために“②適切な質問”を投げかけながら、“③人事労務の重要課題に目を向けさせる”ことにウェートを置いたものになるべきなのです。
では今、経営者には“どん気付きが必要”なのでしょうか。それはもちろん、時代の変化とともに“労使対峙”の構造を大きく変えた要因に他なりません。

4.気付くべきは《所有》権利の更に大きな後退

たとえば今も、多くの経営者が『ここは(オーナーである)私の会社だ。嫌なら、いつでも出て行け』という感覚で組織を経営する傾向が強いでしょう。いわゆる所有意識です。ところが、その所有の権利を更に深掘りして行くと、『出て行けと言われた従業員が出した成果の一部は、その従業員自身の所有物ではないか』という発想が生まれ得ます。
『あなたは資本金を出したかも知れない。しかし、この会社に費やした知恵と労力の成果を、私にも取り返す権利があるのではないか』という感覚を、現代社会は容易に否定できなくなったということです。

5.所有の権利を問題にするなら従業員の権利は?

つまり企業の《成果》は、所有名義人のものだけではなく、その成果に貢献したメンバー全員に、少しずつ帰属すると考えるべきだということです。『従業員の貢献に対しては、既に給与を支払っている』と経営者が主張すると、その額の適否がクローズアップされてしまいます。
そんな中では、従来のような《所有意識むき出しの経営》は、むしろ意識の高い従業員の攻撃材料にしかならなくなったかも知れないのです。そして、程度の差こそあれ、そんな現実を経営者が見つめるべき時に来たということです。

6.経営者が組織経営のキーを掌握し続けるには…

では、今《どんな経営》が求められるのでしょうか。それを一口に語り切るなら、『会社あるいは事業は構成員が協力して運営するもので、その協力体制が破綻を来さないよう、管理監督するのが経営者の役割だ。だからこそ、構成員の共有的財産に危険を及ぼす者があれば、予め定められたルールに従って、経営者には当該従業員を処分できる』という発想に他なりません。
つまり従業員のみならず、王のような経営者も従うべき《ルール》や《理念》があって、そのルールや理念の守護者として経営者が存在するという感覚を持つことなのです。

7. 社会感覚の流れに沿う経営の方が成果は大!

そんな意識を、具体的な事例等を通じて、少しでも疑似体験できるなら、経営者も『自分の発想を少し変えるだけで、こう言ってよければ、もっと楽に組織運営ができる』と感じ始めるはずでしょう。そして、発想転換を《実践》に繋ごうとする時、そこには《山ほどの具体的な課題》が見えて来るに違いないのです。
その《山ほどの課題》に先生方が《優先順位》をつけて、成果が出るテーマから取り組みの提案を行うなら、無料相談の意味が企業にも先生にも、大きくなり得るのです。
一見、大変なことのようですが、取り組むべき実践内容は、それほど複雑でも奇異でもありません。そんな方法が、教材の中で詳しく語られています。

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