ビジネスの持続やその発展の数値的な評価のみならず、現実に根差した生産性把握では、《より少ないエネルギーで、より高い成果を挙げ得た》かどうかを問題にすべきでしょう。
しかし、生産性と言うと難しく考えたくなるためか、『心身が疲れてしまわない方法こそが生産性向上のベースだ』という《現実発想》には、なかなか至りにくいかも知れません。では、《次の頑張りの素を生み出し続けるビジネス活動》が、本当にあり得て、それが《実際の成果》を生むのでしょうか。

1.手間がかかる割には《感謝されにくい》仕事

たとえば《住宅販売》でも、いわゆる《注文住宅》は手間がかかります。手間ばかりか、粉骨砕身で一定以上のサービスに努めても、感謝すらされないことがあります。感謝どころか、非常にクレームが多いのが、注文住宅ビジネスの特徴のようです。なぜでしょう。
それは『あなたの希望を叶えますから、何でもご希望ください』という姿勢をとるからでしょう。もちろんそれが《悪い》と言っているのではありません。その現実を少し掘り下げてみたいのです。士業ビジネスにも共通する部分がありそうだからです。

2.ビジネスが顧客に対して持つ《2つの姿勢》

そこで、まず『手間が掛かる割に感謝されないのは、顧客ペースで仕事をしているからではないか』と考えてみます。すると、ビジネスに《2つの姿勢》があるという印象が鮮明になって来ます。
その《2つの姿勢》とは、住宅ビジネスにたとえるなら、注文を受けてからサービスを始める《注文住宅》と、一気に家を建ててしまった後で売る《建売住宅》です。どちらを選ぶかは、事業者の趣向や価値観によるでしょうが、少なくとも《士業ビジネスには建売的であってはいけないという法則はない》と捉えてみたいのです。

3.オーダーメイドの人事労務支援は非常に大変

社会保険労務士事務所には、申し上げるまでもなく手続き業務があります。そのほとんどが、企業にとって必須のものです。それ以外の《案件》については、給与計算代行等の完成度の高い業務を除き、大半が《オーダーメイド》であり《相談を受けてから対応を考える仕事》なのではないでしょうか。
ところが、社内トラブルやハラスメント対応あるいは心身の労災問題のように、《企業に問題が発生》した後からの支援が大変でないはずがないのです。経営陣の考え方価値観あるいは能力や見識は様々だからです。

4.人事労務支援の骨格や方向性を事前に伝える

しかし問題が発生する前に、『こんな問題に気を付けましょう』とか『こんなことをしたら禍根を残します』という形で、企業の経営陣を《予め教育?》できていたらどうでしょう。経営陣の理解が十分ではなくても、たとえば、ハラスメント対策の社内研修をした後で、いざハラスメント問題が発生した時に『研修でお伝えした方向性で対処しましょう』と言えたら、支援業務がはかどるだけではなく、心も少し軽くなりそうなのです。
ただ、研修には受注が必要ですし、有料にするための内容充実も求められ、余計に面倒そうではあります。

5.経営陣を平素から教育する情報発信基地作り

そんな時、『ホームページで経営陣を教育してはどうか』という発想が生まれ得ます。予め伝えておかなければならないことを、研修ではなくホームページに記載しておくのです。それも、ホームページ作成業者に全てを依頼するのではなく、先生ご自身が、たとえばホームページに《ブログ》コーナーを作り、思い付いた時にワープロを使うかのように《自事務所サイトに投稿》できるようにしておくわけです。
新たに文書を作らなくても、どこかの企業に出した《重要な告知メール》を、固有名詞を外して内容を一般化しながら《投稿》しておいても良いでしょう。

6.ホームページなどあまり読んでもらえない?

『いや、そんなことをしても、ホームページは読まれない』かも知れません。しかし、そうネガティブに捉えるのではなく、何か起きた時、あるいは経営陣に注意喚起をしたい時、メールや電話で『ここをお読みください』と言える《お勧め拠点》を作ると考えてみて頂きたいのです。
スマホ対応のホームページにしておけば、経営陣とのふとした立ち話等に際しても、『最近、こんな問題がありまして』と、先生のスマホで《一緒に読む》ことができるでしょう。
これは、少なくとも同じ話を繰り返さないという《効率化》の第一歩になり得ます。

7.いつでもスマホで関係者と共に読めるページ

しかも、その《自主投稿型》のホームページを、あちこちで《一緒に読んでいる》だけで、たとえば給与体系の見直しや就業規則を含めた社内規程の見直しや作成、あるいは人材採用のポイントや人事制度再考等が、自然に話題に上るようになり、そのページの内容次第では、具体的な有料提案を、特段《構え》ずに始められるようになるかも知れないのです。
もちろん、一気に《支援案件提案》を急がず、《社内研修》の提案等に留めて置いても良いでしょう。
ホームページを《固定的看板》と捉えるか、関係先や新規先と《重要話題を共有する道具》と捉えるかによって、共通認識から提案へ進み、その後も先生方のイニシアチブで人事労務課題に取り組みやすくなる…、そんな風にも考えられるはずなのです。

8.一気に作るのではなく段階的に作り上げる形

そんなホームページを、一気に作り上げるのは、それこそ大変でしょう。しかし、ベースとなる従来型のホームページを簡潔に編集しながら、たとえば《昨今のこの地域の採用事情》や《新規採用者への初期対応とその後の教育の在り方》等を、メールを書くつもりでホームページに書き込める仕組みにしておくなら、いつの間にか、充実したホームページになっているはずなのです。

9.生産性向上ベースを持つことの業務上の意味

そんなホームページを、従来の《看板型》ではなく、《個別発信情報共有型》あるいは《投稿追加型》のホームページと呼びたいと思います。それは『ほら、あれはどうだった。資料はあるかい?』と、事務所内で問わずとも、いつでもすぐに《必要書類》を出してくれる《秘書》のようなものかも知れません。
そのストレス軽減効果、あるいはチャンスを逃さない姿勢の構築効果は、活用法次第で、日々の生産性を大いに高めてくれるはずなのです。

10.生産性のみならず関与先からの信頼度も向上

《個別発信情報共有型》のホームページは、チャンス作りの発想に留まらず、受けた相談の解決の方向性をいち早く示したり、常日頃から経営陣との《共通認識》を育てたりする《道具》として、日常的な《社会保険労務士事務所業務》も効率化し始めるでしょう。
そして、その《解決の方向性の提示》と《共通認識》が、その後の社会保険労務士事務所の手間のかかる業務をスムーズに進める生産性向上ベースになるのみならず、関与先からの《信頼》を高める起点にもなって行くはずなのです。

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